[相談]
令和7年で所得税の取扱いがかなり変わった印象を受けます。
その影響で、令和7年分の年末調整の対象となる人、ならない人は変わったのでしょうか。教えてください。
[回答]
給与所得控除や基礎控除の改正により、年の途中で退職した人を年末調整する際の給与の収入金額要件について、令和7年から103万円以下から123万円以下へと見直されています。その点は影響していると考えてよいでしょう。この変更点を踏まえて、令和7年分の年末調整の対象となる人、ならない人を整理しました。下記解説をご参照ください。
[解説]
年末調整は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、マル扶)を給与支払者に提出した場合に行いますが、マル扶を提出しても一定の人は年末調整の対象とはなりません。このマル扶を提出した人を前提に、対象とはならない人、対象となる人を以下に整理しました。
マル扶を提出しても次のいずれかの要件に該当する場合には、年末調整の対象とはなりません。
(1)給与の収入金額が2,000万円を超えた場合
(2)災害により被害を受けており、源泉所得税の徴収猶予又は還付を受けた場合
(3)年の途中で退職した人(下記2.(2)の該当者を除く)
(4)非居住者
マル扶を給与支払者へ提出し、上記1.のいずれにも該当しない人は、年末調整の対象となります。
具体的には次のいずれかに該当する場合を指します。
(1)年末まで勤務している人(途中入社も含む)
(2)年の途中で退職した人のうち、次の人
- 退職理由が死亡・心身障害の場合
(後者は本年中の再就職ができないと見込まれる場合に限ります) - 12月中に支給された給与を受取った後に退職した場合
- 給与総額が123万円以下の場合
(本年中に再就職をしないと見込まれる場合に限ります)
(給与所得控除や基礎控除の改正により、令和7年から103万円以下から123万円以下へ改正されています)
(3)年の途中で非居住者となった場合
(居住者であった期間について年末調整を行います)
なお、マル扶を提出している人を前提に上記1.と2.を解説しましたが、マル扶を提出していない人、たとえば2ヶ所以上から給与を受けている人で他の給与支払者へマル扶を提出している人(乙欄適用者)や、いわゆる日雇い労働者(丙欄適用者)などは、そもそも年末調整の対象とはなりません。その点もあわせてご確認ください。
[参考]
国税庁「年末調整のしかた」など
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